『アスモデウス』

恋する天使

第六弾『アスモデウス』です。
ゾロアスター教における悪神アンリ・マンユの配下の一人である、アエーシャマ・デーヴァの転化とされ、
中世キリスト教においては、七つの大罪の『色欲』の象徴とされています。
ある時、サラという娘に恋をしたアスモデウスは、彼女が夫を迎える度に、
初夜の晩に夫を絞め殺し、サラを苦しめ続けたと言うエピソードがあります。
結局は、大天使ラファエルの采配によって追い出され、地の果てに縛り付けられてしまうのですが、
この話、よくよく読んでみると、彼女の夫たちを手に掛けながら、最後までサラ自身には指一本触れないという
まるで、一昔前の中学生のような、驚くべき純情さが見えてきます。
このエピソードからイメージをふくらませて、『恋する天使』として描いてみました。
今回は、あえて光源を無視した描き方をしていますが、その所為か(と言うか、毎度のことですが)
メリハリに欠ける仕上がりになってしまったので、フォトショップで明度とコントラストを補正してあります。
路地に佇む、というレイアウトですが、もう少し奥に配置するか、上を開けるべきでした。

 

巨大な地獄の竜にまたがり、人間と牛と山羊の三頭で、家鴨のような足を持ち、
三角旗のついた槍を振りかざしながら、翼を広げて天空を駆けると記されています。
また、ソロモン72柱に数えられ、中世オカルティスト達にとっては、
幾何学、算術、力学に長け、求めに応じて、世界の理など、様々な知識を与えてくれる悪魔として崇拝されています。
頭を三つ並べるというベタなことも考えましたが、あまり面白みがないので、
3つの要素を全てぶち込んだ一つの頭としてデザインしてみました。
堕天前は智を司る天使だということなので、全てを見通す目を額と胸に三角形に配置し、
目玉をモチーフとした装飾もつけてあります。
とゴチャゴチャ考えているうちに、なんだかちぐはぐで統一感のない、
どこかの蛮族のような妙なモノに・・・
頭もどこかで見たようなデザインだし。
牛と山羊の頭骨をモチーフにした所為か、只の兜のようにも見えます。
反省点は山盛りです。
何より、絵のコンセプトと齟齬の生じるようなデザインになったのは大失敗です。

PAINTER6.0水彩丸筆、ベタ塗りペン、フォトショップ5.5、WACOMARTPAD使用。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

戻る