『サマエル』

穢れゆく天使

第五弾『サマエル』です。
マステマと同じく、カソリックの正典には、殆ど登場しない悪魔(天使)であり、
出典によって解釈はまちまちでしたが、人に死を与える天使、つまり死神として描いてみました。
人が死に至るときに、その魂を浄化し、悪徳を吸収し、汚れのない魂に浄化する役目を負わされています。
神によって、ノアに死を与えるように命じられその命を奪い、その後モーゼにも死を与えるように
命じられましたが、モーゼの輝きの前に使命を果たせず、天を追放されたとされています。
また、マタイ伝ではローマの守護天使と記されています。
殆どラフにそのまま色を塗ったみたいで、構図的にも造形的にも全く煮詰め方が足りません。

当初、どうしてもベタな死神的なイメージが頭から
離れなかったのですが、蛇面で赤い髪をなびかせ、
胆汁を塗った赤い槍を持つ、との記述があったので、
その辺はほぼそのままに、安直なローマ式鎧を纏い、
死神的な髑髏面と爬虫類的な顔を合わせてみました。
左半身には、人の抱える闇の部分を溜め込み肥大化し、
本人は少しづつ穢れを大きくしていく、とでもいった
デザインです。
発想は気に入っているのですが、上記の通り、煮詰め方が
全く足りず、不出来なものとなってしまいました。
いつもこんな事ばかり言っているようですね(苦笑)

Painter6.0水彩丸筆、油彩丸筆濃淡ブラシ、スクラッチボード、WACOMARTPAD使用。

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